タイで博士号を取得したリサーチ・アドミニストレーターのブログ

タイで博士号を取得したリサーチ・アドミニストレーターのブログです。これから、学術研究、教育、科学技術で国際連携などの道に進んでみたいなと志す大学・大学院生へ、自分らしい博士人材キャリアの”創り方”のヒントになるネタをお届けします。

【タイで博士号No.1_6】渋沢栄一の哲学:日タイ学術・科学技術交流のあるべき姿

こんにちは。前回のブログ【タイで博士号Np.3_1】で渋沢栄一について書きましたので、ほんまにそれを実践の場でも取り入れておりますよ、という事例を今回は書いてみたいと思います。そして、これから博士課程進学をお考えの皆さん、博士人材として「研究者」というキャリアだけではなく「リサーチ・アドミニストレーター」という活躍の場もありますので、広い視野を持って挑みましょう! 

日タイ修交130周年記念行事:Japan Days in Thailand Research Expo 2017

 今から2年前の201782324日に、タイ・バンコクにて日タイ修交130周年行事の一貫で、Japan Days: In Thailand Research Expo 2017で“日本とタイの学術並びに科学技術交流・連携のあるべき姿を求めて-と題するシンポジウムが開催されました。主催は、The National Research Council of Thailand (NRCT), Japan Society for the Promotion of Science (JSPS), JSPS Alumni Association of Thailand (JAAT)です。シンポジウムの様子はこちらをご覧ください。

 

jsps-th.org

 

f:id:habumon:20190803192637j:plain

 

この中で、日タイおよび日ASEANの科学技術協力プロジェクトの事例紹介で、研究代表の先生の都合がつかなかったので、その代理として、当時バンコクに駐在していた私が登壇させて頂きました。発表内容については、研究代表の先生から“日本とタイの学術並びに科学技術交流・連携のあるべき姿を求めて”について好きにしゃべっていいよとおっしゃっていただけましたので、過去のブログ【タイで博士号No.1】シリーズにあるような事例をベースに発表させて頂きました。そのタイトルが

 

JASTIP: Japan – ASEAN Science, Technology and Innovation Platform

“Applying E. Shibusawa’s Philosophy to Manage the Future Academic and Scientific Collaboration between Thailand and Japan” というものです。ここで、渋沢栄一さん登場です。

 


f:id:habumon:20190803192838j:plain

f:id:habumon:20190803192915j:plain

科学技術協力も自己中心・個人主義から仁義道徳の精神へ

 

15分と限られた時間でしたので、ここで伝えたいメッセージは

 

  1. 研究、科学技術協力でも自己中心・個人主義の社会から仁義道徳を重んじる文化へ回帰しましょう

  2.  公益のために、社会のために科学技術を活かしていこうと志すリサーチ・アドミニストレーターを育成しよう

 

の2点でした。これは「論語と算盤」に書かれていることを自分自身の過去の経験から現在の業務に当てはめてみた内容です。私は、科学技術や学術研究を社会へ活かしていくことを考えたとき、リサーチ・アドミニストレーターという博士人材の職は、それを専門的に進めていく手段(役割)としてうまく活用できるのではないかと考えています。そのリサーチ・アドミニストレーターの志として、外部資金獲得(研究予算の獲得)を最終目標ということではなく、社会を良くする科学技術の発展や活用に資する研究プロジェクトや共同研究を企画するという方向に向かうことが大事と思う次第です。

 

f:id:habumon:20190803192959j:plain

 

大学の研究者、特に若手研究者の状況によくあてはまると思いますが、私自身が任期付きのポスドク、特定助教の時に感じていたこととして、社会貢献とか、国際協力とか、科学技術連携とか、そんなんいくらやっても常勤職やポスト獲得のための評価につながりませんよ~。研究論文を書いてなんぼだ、研究資金を沢山とってなんぼの物だ・・というような実情を痛いほど感じておりました。矛盾を感じながら、研究者をやっていてもこのままじゃ食っていけないなと感じていた時に、リサーチ・アドミニストレーターという職を日本の大学にも導入しようという動きとなったわけでございます。

 

この日本版のリサーチ・アドミニストレーターという職が単なる金稼ぎ、論文数稼ぎの手段に陥らないよう、これからの若い博士人材の憧れの職種になるように頑張ってまいります!

 

f:id:habumon:20190803193045j:plain