タイで博士号を取得したリサーチ・アドミニストレーターのブログ

タイで博士号を取得したリサーチ・アドミニストレーターのブログです。これから、学術研究、教育、科学技術で国際連携などの道に進んでみたいなと志す大学・大学院生へ、自分らしい博士人材キャリアの”創り方”のヒントになるネタをお届けします。

【タイで博士号No.2_1】博士号を取得したThe Joint Graduate School of Energy and Environment (JGSEE)の紹介

The Joint Graduate School of Energy and Environment (JGSEE)

(エネルギー環境合同大学院大学

 

  こんにちは!明日、7月28日(日)はタイ国王の誕生日です。タイの公的機関のホームページに入ると、最初のページは"The Coronation of King Rama X”のページになります。これから、ご紹介する私が博士号を取得したThe Joint Graduate School of Energy and Environment (JGSEE), KMUTTのページにも表示されますね。

http://www.jgsee.kmutt.ac.th/v2/king10.html

 

 それでは、少しずつJGSEEについてご紹介していきます。まず、呼び方ですがJGSEEと書いてなんて呼ぶのが正しいでしょう?

ジャグジーとかそのまま、ジェイジエスイーイーとか呼ぶ人もいますが、正解はSEEを”シー”と言って、”ジェイジーシー”と呼びます。名前はとても大切ですので、これからJGSEEとみたら"ジェイジーシー”と呼んでくださいね!

 

JGSEEはThe Joint Graduate School of Energy and Environmentが正式名称ですが、タイの5つの国立大学で構成された大学院コンソーシアムで、1998年にタイの国際的にも科学技術力を向上させることを目指して大学院教育・研究を強化することを目的としております。国際コースですので、カリキュラムはすべて英語で実施されます。

コンソーシアムを構成する5つの国立大学はこちです。このうち、1のKMUTTがコンソーシアム全体の取りまとめで、JGSEEが提供する学位の母体となります。

  1. King Mongkhut's University of Technology Thonburi (KMUTT)
  2. King Mongkut's Insitute of Technology North Bangkok (KMITNB)
  3. Chiang Mai University (CMU)
  4. Sirindhorn International Institute of Technology at Thammasart University (SIIT-TU)
  5. Prince of Songkhla University (PSU)

2018年に設立20周年を迎えた一見新しそうな大学院プログラムですが、エネルギー環境分野に特化した大学院プログラムを開始した取り組みとしては世界的にも先陣を切った取り組みと言えます。例えば、日本でも大学院重点化が進んだ1990年代の中盤ぐらいですが、その流れで、1996年に京都大学大学院エネルギー科学研究科(エネ科)が設置されました。エネ科がエネルギーや環境分野を融合させた大学院として日本では第一号といわれてますので、同時期に日本やタイの高等教育・科学技術行政や社会的にもエネルギー環境に対する問題意識が高まったころのようですね。

 

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下記の年表、ちょっと力作なので再掲ですが、グラフを見る限り青い矢印赤い矢印のギャップ期間である1995年~2000年ぐらいというのは日本だけなのか、タイも?なのか政治・社会・経済面で大きな転換期であったのかもしれませんね、

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さて、話をJGSEEの紹介に戻しましょう。JGSEEのメイン母体はKMUTTですので、単純に言うと、KMUTTという大学にある一つの研究科(大学院≒修士課程と博士課程)という位置づけになります。JGSEE、研究科の組織体制はシンプルで下の図のようにDirector (研究科長に相当)の下、Energy Division (エネルギー専攻)とEnvironment Division (環境専攻)からなる研究科です。

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JGSEEで学べる学位プログラムは8種類

JGSEEで学べる学位プログラムは全部で8種類あります。学位はKMUTTから授与されます。

Ph. D.  (博士課程)

  • Ph. D. Energy Technology 
  • Ph. D. Environmental Technology

Master of Philosophy (修士課程)

  • Ms.P. Energy Technology 
  • Ms.P. Environmental Technology

Master of Engineering(修士課程)

  • MEng. Energy Technology & Management
  • MEng. Environmental Technology & Management

Master of Science(修士課程)

  • MSc. Energy Technology & Management
  • MSc. Environmental Technology & Management

ちなみに、私が留学したプログラムはPh.D. Energy Technologyになります。日本と同じように博士課程は通常3年、修士課程は2年になります。すでに書きましたが、カリキュラムはすべて英語です。学生もタイ人だけではなく、東南アジア周辺国や、インド、中国、アフリカ(ナイジェリア、エチオピア)、中東(イラン)、たまにドイツ、フランスなど私がいた時で、タイ人5割、外国人5割と半々ぐらいのイメージでした。日本人は設立20年を経ても、未だに私一人だけのようですので、何とか、今の日本人の大学生・大学院生さんに目を向けて頂きたいなという必死の思いに至っている次第です。。

 

JGSEEには学生が修士・博士研究の指導を受けるResearch & Lab の研究分野が5つあって、それぞれに関連する研究グループが6つあります。その研究グループの中で、テーマごとに担当する教員・研究者がついているという構成です。

 

研究分野

  1. Biofuel & Bioenergy
  2. Solid Waste Management
  3. Climate Technologies
  4. Sustainable Indicators
  5. Energy Efficiency

研究グループ

  1. Energy and Environmental Policy Laboratory (EEPL)
  2. Life Cycle Sustainability Assessment Laboratory (LCSAL)
  3. Advanced Greenhouse Gas and Aerosol Research Laboratory (AGAR)
  4. Tropical Climate System Modeling Laboratory (TCSM)
  5. Building Energy Science and Technology laboratory (BEST)
  6. Advanced Fuel Processing Laboratory (AFPL)

それぞれのグループの詳細はホームページに入ると”Research & lab”のところにリンクが並んでいますので、興味のある方はこちらをご覧ください。

http://www.jgsee.kmutt.ac.th/v2/index2.php

 

これらが、JGSEEに備え付けの研究分野と研究グループですが、世界的な環境エネルギー問題などの関心の高まりで、国際的に共同プロジェクトやネットワークを構築してきているので、広く共同ラボやネットワークを有しております。タイのローカルな研究というよりかは、タイをベースにいろいろな国との共同研究の下で、学べる環境です。特に、JGSEEの教員は海外の大学に留学してPh.Dや研究経験を積んだのちに、タイへ戻ってきている優秀な方々が多いです。(タイで最年少でProfessorになった先生も在籍)

 

それでは、本日はこれぐらいにして、次回にどうやって研究テーマや指導教官などを選ぶかなど少し深堀して説明していきたいと思います。