タイで博士号を取得したリサーチ・アドミニストレーターのブログ

タイで博士号を取得したリサーチ・アドミニストレーターのブログです。これから、学術研究、教育、科学技術で国際連携などの道に進んでみたいなと志す大学・大学院生へ、自分らしい博士人材キャリアの”創り方”のヒントになるネタをお届けします。

【タイで博士号No.1_4】留学をお考えの皆さん、いま所属している日本の大学との「縁」を大切にしましょう!

公開記事の再掲:「岡本太郎」と「縁」

 数年前ですが、修士課程の2年間在籍した京都大学大学院エネルギー科学研究科の同窓会誌(京エネ会 会報)に、「岡本太郎」と「縁」と題して寄稿文を書きましたので紹介させて頂きます。全体像を文章にするとこんな感じです。京大の同窓生向けへといった書きっぷりです。

 

とはいえ、海外の大学院へ修士課程、博士課程へ進学をお考えの方は、少なくとも学部生として日本(もしくは海外)の大学に所属されているでしょう。日本の大学院で修士課程に所属されている方であれば、研究室の指導教官の先生の下や先輩たちの指導の下で修士論文の研究ということを通じて大学内での研究経験を少し積み始められたというところかと思います。(仲の良し悪しは人ですので、出てくるとは思いますが・・)

 

【タイで博士号No.1_3】で書きましたが、修士課程自体もある種のプロジェクト化して考えれば、その後、博士課程というプロジェクトを実施する決断をして、その先にどのようなアウトカムにつなぐか(つまり、博士人材キャリアの一歩など)まで、見通して今いる環境や機関、研究室、師匠さんお友達、先輩後輩などとの縁も大切にしておくとよいと思います。

 

そういった観点で、修士課程で在籍した京都大学大学院エネルギー科学研究科の同窓会誌へ寄稿文を書きましたので、ご参考にして頂ければと思います。

 

京都大学大学院エネルギー科学研究科

http://www.energy.kyoto-u.ac.jp/jp/

 

タイトル:「岡本太郎」と「縁」

所属(勤務先等):京都大学 学術研究支援室(URA室)

名前:園部太郎(2004年3月エネルギー基礎科学専攻修士課程修了)

 

「危険だ、という道は必ず、自分が行きたい道なのだ(岡本太郎)」。タイ国エネルギー環境合同大学院大学の博士課程へ留学を決めたのは2003年、修士2回生の夏でした。確か、エネルギー科学通論か何かの講義で、21世紀はアジアに経済活動の中心がシフトしてくる。それに伴い、地球温暖化やエネルギー安全保障問題といった課題が、アジアを中心に深刻化する、といったことを教えて頂いたと記憶しております。学部生時代に、タイ、ラオスベトナム、中国など、アジアの国々をゆっくりと旅をして、現地の街や人々の営みを肌身で感じていましたので、アジアの課題は現実に起こりうるものとして、問題意識を高く持つことが出来たのだと思います。

 

 一方で、単に問題意識を高く持っているだけでは行動には移せません。一歩前に進むためには、レバレッジを効かす術が必用になります。それは、良き理解者との「縁」に尽きると思います。今思い返しますと、恩師である吉田起國先生をはじめ、研究室の先輩や、切磋琢磨できる友人など、多くの良き理解者に恵まれた中で、修士2年間を過ごすことができたと思います。研究室では、恩師に研究者としての基礎的な考え方や技術を厳しく指導して頂きました。同窓の友人たちとは、研究の専門分野を超えて、純粋に将来の目標や問題意識などを共有することができました。共感できる友人を通じて、一歩前に進むために決定的となる人との繋がりや、先賢の考えを学ぶ佳書を紹介してもらいました。このときに得た経験が、現職でも糧となっております。

 

 タイ留学後も、本学と縁が繋がり、エネルギー理工学研究所、生存圏研究所、エネルギー科学研究科を経て、現在はリサーチ・アドミニストレーター(URA)として、本学の国際戦略の下、「卓越した知の創造」に向けた活動を支えるため、特に国際連携に向けた取組を行っております。リサーチ・アドミニストレーターはおよそ聞きなれない言葉ではありますが、人と人、人と集団、集団と集団等の連携(架橋)反応を促進するための、いわば「触媒」の働きを担った実践的な専門人材といえます。その取組の一つとして、本学とASEAN地域との交流を基盤とするオールジャパン・オールASEANの日ASEAN科学技術イノベーション国際共同研究拠点の立上げに携わる事が出来ております。10数年前、修士時代に学び舎で抱いた目標に向けて、一つずつ、要素が繋がり始めているように思います。いみじくも、恩師の吉田先生はパーコレーションという「繋がりの科学」をご専門とされており、物理現象や自然現象の解釈にインスピレーションを頂きました。これも、何かの「縁」なのかなと思います。

 最後に、本紙面をおかりしまして、エネルギー科学研究科のお世話になっております皆様へ感謝申し上げます。

 

京エネ会 会報 No11 (平成28年2月)

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京エネ会会報

 愛読書を持つ!佳書

ちなみに、なんでタイトルに「岡本太郎」とあるか。「太郎」繋がりというのもありますが、むしろ「岡本太郎」さんが発する持続的な「エネルギー」繋がりという奥深さが実はあるのです。エネルギー科学研究科だけに。私はシュールなので、こういうなのは書かないと皆さんに伝わらないということも、最近何となく気づいてきました。

 

「自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間"を捨てられるか (青春文庫)--岡本太郎

から、今もタイで「エネルギー」を頂いております

 

留学をお考えの皆さん、いま所属している日本の大学との「縁」を大切にしましょう!

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自分の中に毒を持て(岡本太郎