タイで博士号を取得したリサーチ・アドミニストレーターのブログ

タイで博士号を取得したリサーチ・アドミニストレーターのブログです。これから、学術研究、教育、科学技術で国際連携などの道に進んでみたいなと志す大学・大学院生へ、自分らしい博士人材キャリアの”創り方”のヒントになるネタをお届けします。

【タイで博士号No.1_3】留学・博士進学プランを”あたなのプロジェクト”として企画・管理・評価してみましょう!

タイ留学プロジェクトとして全体像からご紹介

 まずは、タイ留学とその前後などの全体像について書きたいと思います。つらつら文字で書くのが苦手なので、タイ留学期間(2004-2007)をタイ留学プロジェクトと捉えて、いろいろなプログラムやプロジェクトの企画評価に用いるロジックモデルに当てはめてその構造の概略を整理してみたいと思います(参考1)。

  

(参考1)ロジックモデル策定ガイド 

(財)農林水産奨励会 農林水産政策情報センター

http://www.maff.go.jp/primaff/about/center/hokoku/attach/pdf/200308_hk066.pdf

(リサーチ・アドミニストレーターに興味がある方は、このロジックモデルはプロジェクト企画、運営、管理に大変参考になります!)

 

ものすごくシンプルに作ると、「タイ留学プロジェクト」を以下の(1)~(6)の要素にいったん分解して、論理を繋ぎ合わせたものです。ほんとは、もっと細かく作れるのですが、マクロに俯瞰的に見た場合のバージョンです。

 

(1)最終的なゴール(カッコよく言い換えると、志)は何か

(2)どんな仮説を立ててタイ留学を決めたのか

(3)インプット・・プロジェクトへの導入

(4)活動(2004年~2007年)

(5)アウトプット(2007年)

(6)アウトカム(短期、中長期)

 

具体的に、ロジックモデルの図を作ってみると以下のような図になります。壮大な?自分をインプットに使った実験といったところでしょうか。一般的に、実施期間が決まったプロジェクトは、予定通り狙ったアウトプットが出せたかという自己点検と、プロジェクト自体が周りへも波及効果がありましたよ、ということを短期(3年ぐらい)と中長期(5年~10年)ぐらいで定性、定量的に評価して初めて良し悪しが言えるので、ようやく2年前ぐらいから、それぞれ客観的なデータも揃いましたので、ちょいちょい言ってもええやろなと思えるようになった次第です。

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タイ留学プロジェクトのロジックモデル

図を念のため下記の整理に沿って補足しますと:

(1)最終的なゴール(カッコよく言い換えると、志)は何か

 同志社大学での学部学生時代を経て、エネルギーや環境問題解決に貢献できる人材になりたいなという思いがありましたので、京都大学大学院エネルギー科学研究科の修士課程に進学して、さらにそこで、学んで、悩んで、師匠さんや友達や先輩に出会って、パットひらけて「持続可能な社会に向けてエネルギー環境問題など地球規模の課題とか地域共通の課題を解決へ貢献できる人材になろう!」という志を立てたというものです。

 

(2)どんな仮説を立ててタイ留学を決めたのか

 この時期は今話題の就職氷河期真っただ中。。志を達成するための手段として、当時(2002年10月~2003年7月)に真剣に考えていたのが実はもう一つありました。それは宇宙開発事業なのですが、これは余談でまた詳しく。当時、本当に理解のある師匠や友達に恵まれて、「タイの博士課程へ進学する」と決意を決めた瞬間、いろいろなものが急速に繋がっていきました。ということで、タイの博士課程へ進学するということと同時に、京都大学のアジアでのミッションを同時に頂くということなりました。仮説として、①タイのJGSEEへPh.D.留学と②京都大学のアジアでのミッションの二つを両立することで、ゴール達成に向けて自分を鍛えられるんじゃないかと考えたわけです。修身です。

 

(3)インプット・・プロジェクトへの導入

サンプルは私。資金はタイ政府からの奨学金(JGSEE経由)、京大のお手伝い費、と京都大学21COEというプロジェクト。

 

(4)活動(2004年~2007年)

①タイのJGSEEへPh.D.過程の留学と②京都大学のアジアでのミッション(21COE調査研究員)の活動

 

(5)アウトプット(2007年)

研究成果発信(国際ジャーナル3報、国際会議プロシーディング3報)、Ph. D. 学位、持続可能なエネルギー環境フォーラムというアカデミックネットワーク。

 

(6)アウトカム(短期、中長期)

Top 1%ジャーナル2報、Top3%ジャーナル1報、日タイを中心に日ASEANなどのプロジェクト多数など。

 

皆さんもロジックモデル化試してみてください。

ご自身が今取り組んでおられる事業やプロジェクトに限らず、例えば大学生活であったり、サークル活動であったり、バイトであったり、、留学(短期、長期かぎらず)などは、実施期間が決まったある種の自分の”プロジェクト”として捉えることができると思います。そういう取り組みを、今回ご紹介したロジックモデルを作ってみると、振り返りや、気づきの機会になります。学生自体のバイトも暇だから、取り合えずお金が欲しいから、という具合で始めるよりも、何か具体的な目標や、仮説、それを試せる活動や、アウトプットなどを設計して始めると充実具合も大きく違ってきたりすると思います。是非、お試しくださいませ!

 

ロジックモデルから活動やアウトプット、アウトカムをポンチ絵や時系列にしてみる

ロジックモデルができたらmそれを、時系列でグラフにしたものが下記の図になります。詳細はミクロ的な視点で述べたいと思いますが、ポイントはタイ留学期間(3年間)の私の時間資本の投資が、自分で言うのも何ですが、期待以上の人的資本社会資本としてのリターンを得られて、その後の取組の揺るぎない礎となったということです。

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タイ留学プロジェクトとその後の展開

上記は自分目線での時系列ですが、日タイのマクロ経済の発展具合を時系列でみてみると面白い発見があります。下の図は、IMFが出している各国の名目GDPの値を用いて、1980年のGDPの値を1として、1980年から2019年までの推移を示したものです。青い棒が日本の値で、ミカン色がタイの値です。1980年は私は1歳ですので、私の世代の人は経済成長具合をどのように感じてきたかということを示す、一つの指標のようなものです。(当然、両国の絶対値は現在で10倍ほど違いますが)

 

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日本とタイのGDP推移(1980年比)

これを見て面白いのは、1995年あたり(私、高校入学ごろ)まで経済成長を続け、その後の数年(私、高校生時代)で下って停滞して、2001年ごろに両国の経済成長の具合が全く正反対になっているのが面白いですね(詳細は余談で)。それで、私が留学していた時期というのが赤い枠で囲った期間になります。タイ社会がまさに急成長に向かった、活気のある時期です。ほんとに実感として、2000年あたりの日本は就職氷河期真っただ中で、暗~い重苦しい感じでしたが、タイではみんな明るくて活気があるなというのが印象的でした。

 

みなさん、いかがでしたでしょうか?自分自身の取組をプロジェクト化したり、企画・管理・評価なんて言われると難しかったり、業界人ぽくて嫌な感じをお持ちになったりする方もおられるかもしれませんが、客観的に自己を見て、良いところ、悪かったところを反省して、改善策を考えたり、信頼できる人に相談するポイントを確認してみたりする機会になると思います。

 

是非、皆さんも試しに留学・博士進学プランを”あたなのプロジェクト”として企画・管理・評価してみましょう! 

 

ロジックモデルの作り方などもご不明なところがあれば、ご遠慮なくコメントお寄せ下さいませ!